香りの閾値(いきち)について

アロマ調香ではたくさんの精油を使ってブレンドしていきます。

その時に大切なのが「閾値(いきち)」という考え方。

香りの成分を極限まで薄めていったときに、最小で香るその値が「閾値」です。

例えばいま花盛りのキンモクセイ。

「どこからかキンモクセイの香りがするなあ」と思ってあたりを見回すとキンモクセイの花が目に入ってきますよね。

だけど、例えばバラもいい香りはするけれど、「どこからかバラの香りが漂ってくるなあ」と思って見まわしたらバラが咲いていたってことはあまりないのではないでしょうか。

たぶん皆さんも私と同じように、まずバラを発見して、香りを嗅いで、そこで初めて「バラのいい香りがするなあ」と思うのではないでしょうか。

この例でお話しすると、キンモクセイの香り成分は非常に量が少なくても人はその香りを感じる。(香り成分が薄まりながらある程度遠くまで風に乗って漂ってきても人は香りを感じる。)

その反対に、バラの香り成分はある程度の量がないと人はその香りを感じないってことなのです。(バラの香り成分が多くある、花の近くに顔を近づけないと人は香りを感じない)

つまり香りが強い=閾値が低い(非常に低い値でも香りを感じる)

香りが弱い=閾値が高い(ある程度の量がないと香りを感じない)

ということです。ここを理解していないと、バラの精油を20滴にキンモクセイの精油を1滴混ぜたら、バラの香りは隠れてしまって、全てがキンモクセイの香りになったということになってしまうのです。

以上、アロマ調香に大切な、閾値のお話でした。

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