調香に使われる精油の中には、樹木から抽出されるものがたくさんあります。
その中でもクロモジやニオイコブシなどは落葉樹と言って、冬になると一斉に葉を落とします。
さて、植物にとって葉を落とすことにはどんな意味があるのでしょうか。
葉は「落ちる」のではなく、植物は自分が生きるために積極的に葉を落としています。
植物が葉を落とす理由はふたつあります。
冬の間植物は休眠状態に入り、春夏に比べると光合成もあまりしません。
植物にとって葉は、光合成をして生きるための栄養を作るためにあるので、光合成があまりできない冬の間、葉をつけたままでいることにはあまり意味がありません。
葉を維持するにもエネルギーが必要なので、冬の間は葉を落として、光合成のしやすい春に再び芽吹いた方が生きるための効率が良いのです。
もう一つの理由は、私たちヒトが生きていると体の中に老廃物がたまるのと同じように、植物も生きていると体に老廃物がたまります。
ヒトは汗や排泄物から老廃物を外に出しますが、植物はそれをしない代わりに、老廃物を葉の中に溜めて落とすことで外に出しているのです。
植物は積極的に生きているからこそ葉を落としています。
ハラハラと落ちてくるクロモジの葉は、クロモジが積極的に生きている証拠なのです。
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