植物はなぜ紅葉するの

今の時期、私たちの目を楽しませてくれる紅葉。

紅葉は私たちにとって美しいものですが、植物にとってはどんな意味があるのでしょうか。

樹木たちは本格的な冬が来る前に、葉の中にある、自分が生きるために必要な成分を樹木本体に回収します。

冬が来ると葉が落ちるので、葉が無くなる前に必要な成分を回収するのです。

樹木の本体に戻された成分は、樹木が生きるためにすぐに使われたり、冬の間タネや果実や根に貯められたり、春に芽吹く芽のために蓄えられたりします。

回収される成分は葉の中の葉緑素に入っていて、葉緑素は緑色をしているので、葉緑素を回収された後の葉は緑色が抜けるのです。

イチョウのように葉を黄色くする樹木の場合、黄色い色は、紅葉が始まるずっと前から葉の中で作られています。

葉緑素が葉にたくさんある春や夏の時期は、黄色は濃い緑に隠れて見えないのですが、緑色が抜けると初めて黄色が見えてきます。

自分が生きるための活動をせっせとした痕跡として、イチョウの葉は紅葉するのです。

今日も黄色く色づいたイチョウを見上げて、「いつでも能動的に生きていて素敵だね~」なんて思うのです。